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新潟アニソンDJディスカッション 第2回 かしま&あいなま

紙鶴です。新潟アニソンDJディスカッションの第2回は公募荒らしでお馴染み、かしまさんと、新潟A-POPダンサーの注目株、あいなまさんをお迎えしました! それでは早速やっていきましょう!

第1回はこちら。

kamitsuru.hatenablog.jp

 

概要

新潟のアニソンクラブイベント文化の歴史を振り返りつつ、新潟産アニソンDJが強いとされる理由を探るインタビュー企画。

 

ゲストプロフィール

かしま(あにきゅーぶ!/Re:オタクコンプレックス)

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twitter.com

2017年春に新潟大学のサークル主催のイベントにてアニソンでのDJ活動を開始。現在は新潟県内のA-POP DJイベント"あにきゅーぶ!"と"Re:オタクコンプレックス"のレギュラーDJとして活動中。
県外では秋葉原MOGRAにて定期開催の"アニソンインデックス!!"と宮城県仙台市の野外イベント"そとにーにー"の公募DJへの選出の他、様々な地域でのゲスト出演経験を持つ。
好きなアニメは”響け!ユーフォニアム”。

DJ出演歴:アニソンインデックス!! Page.113、X-Animation vol.8、022- Call.30 ”そとにーにー”、ノーボイス・ノーライフ 2nd Anniversary、アニソンWOODSTOCK vol.10 等

 

DJ あいなま(2dExpo / 推しキチ/がたおと)

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twitter.com

新潟市のオタク系アニソンクラブイベント、「2dExpo」のレギュラーメンバー。2018年よりDJを始め、主に女性向けコンテンツや男性声優の楽曲を得意とする。2021年には女性向けコンテンツ中心の配信イベント「推しキチ〜推しごとする基地〜」を発足している。

DJ出演歴:2dExpo、がたおと、ちぇりキス vol.6、Re:オタクコンプレックス 3周年、推しキチ、A面打破 第肆破、恋色プラネット

 

2017年以前の話

紙鶴
あいなまさんはいつ頃からダンスを始めたんですか?

あいなま
ダンス始めたのは大学4年からです(2014年頃)。といっても最初はRABの動画見て「自分もウインドミルできるようになりたい」くらいだったので1人で大学の体育館で練習してました。

RAB:レペゼン秋葉原のヲタクダンサーチーム「RAB(リアルアキバボーイズ)」
RAB(リアルアキバボーイズ) Official Web Site

ウインドミル:見た方がはやい。

youtu.be

紙鶴
ナエンドーさんしょうきさん(共に新潟A-POPダンサー)を始めとしたダンサー勢と交流持つようになったのはいつ頃からですか?

あいなま
今のメンバーたちと関わりを持つようになってダンスでの活動が増えていったのは2017年の夏頃、第1回の『ナエトレッ!』でナエンドーやしょうき達と出会ってからです。そこから現在の新潟APOPダンサーたちとの交流が深まっていきました。

ナエトレッ!:ナエンドーさん主催のAPOPダンスバトルイベント。

紙鶴
じゃあ、挙がったメンバーと出会った翌年にはDJやり始めてたんですね。

あいなま
そうですね。具体的には『ファボマス』に紙鶴さんやかしまくんが遊びに来てくれた辺りかな……。アニクラに遊びに行ったり自分でもやってみたいなと思い始めた時期です。

ファボマス:しょうきさん主催のAPOPダンスバトルイベント。正式名称はTHE f@vorite M@STER。

紙鶴
アニクラ初参加はいつ頃ですか? また、きっかけや経緯、感想はどんなでしたか?

あいなま
2017年冬〜2018年春のどこかです。初アニクラのきっかけはダンスのイベントで知り合ったLavyさんメダ82くんに誘われたことです。クラブって照明暗そうだし、怖い人いそうだし最初はちょっと良いイメージなかったんですけど…。知り合い一緒なら行ってみようかなと。行ったらオタクの人がほとんどだし、たくさん好きな曲かかるし楽しい!!ってなって足を運ぶようになりました。

紙鶴
かしまがDJ始めたのが2017年で、『あにみゅ!』に入ったのが2016年。DJ始めるまで1年くらいあるけど、その間って何してたの?

かしま
自分は最初からアニクラに興味があった訳ではなかったです。先輩にTrySailのライブに連れて行って貰ったのをきっかけに1年生の頃は声優さんのライブに行きまくってました。日々のサークル活動でも声優さんの話をしたりご飯食べに行ったり大富豪したりしてました。

TrySail麻倉もも雨宮天夏川椎菜によるトライアングルガールズユニット。最高。
TrySail Portal Square (トライセイルポータルスクエア)

紙鶴
自分はもうその頃(2016年)はサークル辞めてたからなんもわからんけど、当時のサークルってどんな感じだった? 

かしま
『あにみゅーじあむ!』を開催したり、学祭でもDJをするなどアニクラ運営の活動も行っていました。一方でアニクラ目的以外のサークル員の方も多く、毎週の定期活動ではサークル員同士のオタクトークを楽しんだりゲームやプラモ等のそれぞれのコミュニティで遊んだりなども活動の主でした。

紙鶴
2017年のデビューから飛躍的に活躍しているわけですが、自分で感じてる要因ってある?

かしま
大きく分けて2つあるかなと思います。
1つ目はイベントへの参加経験です。他の人のイベントでのDJやmixを聴いて勉強するという方は多いと思うのですが、地元新潟の『あにきゅーぶ!』が2ヶ月毎に県外から有名なゲストをお呼びして定期開催していたので地方に居ながら都内や他の地方の良いDJを沢山観れたのは大きな要因だと思います。また、県内だけではなく先輩方の県外へのアニクラ遠征にも連れて行って貰っていたので、初めた頃からとにかく沢山のレベルの高いプレイをインプットさせて貰えたのが自分の地盤の1つだと思います。
もう1点は人脈です。上記の話の通り県内外で色んな方のDJを拝見させて頂く過程で新潟の先輩方を通じて沢山紹介もして頂きました。その繋がりからmixを聴いて頂いたりして徐々に知名度を伸ばしていけたと感じています。昨今は特にそうですが、mixを投稿する人が多かったりアニソンDJ全体の技術が高まってきてる中で”まず聴いてもらう”というのは非常に大事です。自分もそうですが公募であっても何かmixを聴こうとなった時に最初に目につきやすいのは知り合いの作品だと思うので、現場であれTwitterであれ繋がりが多いのは大事な要素でありそれを色んなイベントに行ったりする事により積み重ねていきました。
以上2つが上手く噛み合った結果、評価して頂けるようになったのかなと思います。どちらの点においても『あにきゅーぶ!』やその周りの先輩方に非常にお世話になっているのでやっぱりその存在は大きかったです。

紙鶴
ちなみに、おふたりは誰からDJ教わったんですか?

あいなま
初めは『2dExpo』のオーガナイザーのLavyさんでした。基本的なことはそこで教わりました。後に紙鶴さんやかしまくんのワークショップに参加したこともありました。今は自分で機材をいじって、他の人のプレイングやmixを参考にしながらインプットしています。

かしま
1番最初はサークルの先輩のしらすさんに基本的なやり方を教えて頂きました。イベントデビュー後はがっつり教えて頂く機会は無かったと思います。ですが毎度のmix投稿やDJ出演に感想をくれたり褒めて下さる先輩方が身近にいたので、それがモチベーションや上昇志向に繋がっていました。

 

2018年の話

紙鶴
前述の「『ファボマス』に紙鶴さんやかしまくんが遊びに来てくれた辺り」(2018年)、確かTwitterで『ファボマス』の存在知って、かしまを誘って遊びに行きました。そこからダンサー側とアニクラ側の交流が始まったんだと思います。

あいなま
この辺りはダンサーで興味を持った人がDJを始めたり、アニクラに遊びに行き始めたりした時期でした。『あにみゅ!』、『あにきゅーぶ!』、『2dExpo』という新潟のアニクラの人たちとの関係性ができて行き来が積極的だったと思います。

紙鶴
「ダンサーで興味を持った人がDJを始めたり、アニクラに遊びに行き始めたりした時期」が発生した理由はなんだと思いますか?

あいなま
その頃「しょうきがDJ機材を買ってダンスの練習の時に回すようになった(『ファボマス』が発足した)こと」や「『ナエトレッ!』や『ファボマス』でDJタイムの楽しみ方を分かり始めた」ことが大きいと思います。もちろん踊るのも楽しいけど、好きな曲で一緒にただ盛り上がる楽しさ、アニソンや好きな曲に対する解放の仕方がわかるようになってきた時期だったなと。加えて『ナエトレッ!』や『ファボマス』でどんどん有志の新人のDJタイムの時間を作ってくれていたので「俺もやってみたい」と始めてみる人が多かったです。

紙鶴
自分が初めてダンスバトルイベントを観戦した際、「楽曲に対するレスポンスがバチクソ良いから絶対アニクラ来てほしい」「観戦だけでもこんな楽しいんだ」と思いました。このような、お互いのコミュニティーの交流によって生まれた心境や印象の変化はありましたか?

かしま
自分も紙鶴さんとほとんど同じです。印象的なのは『ファボマス』でVJさせて貰った時に、VJに対するレスポンスもめちゃくちゃ大きくて凄く楽しかったのを覚えています。話してみても楽しくて良い人ばかりで、自分の中でも凄く居心地の良いイベントになりました。同じイベント運営という所でも毎回企画を変えられていたりと学ぶところは多かったです。お互いのイベントに出たり遊びに行ったりの他にも『あにきゅーぶ!』と『がたわん〜新潟一番〜』の連動企画などあり交流を深められました。

あいなま
普段アニソンDJとして活躍してる人たちのプレイを聴いて、みんながみんな「これはやばい、楽しいぞ?!」と思い、そこからアニクラへ足を運ぶ人数がかなり増えたかなと。新潟APOPダンサー陣のアニクラDJタイムへの意識の変化が起きた時期でもあります。「アニソンをみんなで聴いて盛り上がるのってすごい楽しい!」と気付いてからは「これはみんなで行くしかない」と可能な限り足を運ぶようになりました。
曲に対してそれまでは「〇〇の曲がかかった!」「これは知ってる!」という1つ1つへの思いが強かったのですが、そういう曲たちを使って「いつの間にか違う曲になってる?!」「そんなに畳み掛けるのか?!」という繋ぎとか流れといった今までと違った楽しみ方をするようになったと思います。

紙鶴
新潟APOPダンサーは皆さんすごく仲がいいから盛り上がったときの熱量がすごいですよね。

あいなま
確かに新潟APOPダンサー陣はすごく仲が良いという印象が強いですね。今のアニソンダンスが盛り上がり始めたころに、ストリートダンスの現場から来て「好きなものの同志がいる」「楽しみたい」という思いを持って集まった人たちの熱量や相性が上手く合ってたんだと思います。

紙鶴
新潟A-POPダンサーの方々のダンスやDJに対する姿勢・特徴って何かありますか?

あいなま
新潟APOPダンサーたちのダンスやDJに対する姿勢や思考の特徴としては「楽しいを共有しよう」「一緒に騒ごう」という人が多いと思います(『ファボマス』のテーマの一つに「布教しあう」というのもあったかと思います)。もちろんバチバチにダンスする人達もいるし、踊る時は自分が一番だって踊ってます。でもダンサー同士リスペクトしあってるからか、お互いの趣味に寛容ですね。

紙鶴
かしまはこの年に『あにきゅーぶ!』所属になったわけだけど、当時の心境とかなんかあった?

かしま
憧れのイベントだったのでシンプルに嬉しかったです。一方で加入に至るまでにかなり手応えがあったので、やってやるぞみたいな野心的な気持ちも大きかったです。

紙鶴
その後、年末あたりでは『アニソンインデックス!!』の公募で波に乗ってたわけだけど、当時のDJ感の特徴みたいなのってある? ちなみに自分が3年の頃はクソほどイキってて、新潟では俺が一番くらいの気持ちだった。

アニソンインデックス!!:毎月第三土曜日に秋葉原MOGRAにて開催されているアニソン原曲中心クラブイベント。

かしま
心持ちみたいな感じでしょうか?自分も当時はかなり自信を持っていました(内心イキってました)。公募に参加する時は基本的に自分が1番だと思っていましたし(これは今でもそう)、出演の際にも全力を出して自分が1番目立つ事が結果としてイベントの為にもなると思ってプレイしてました。後者のイベント出演時の考え方は今は大分変わりましたが、自信が無ければ良いプレイは出来ないので程よいイキりは必要な過程なのかなと思います。

紙鶴
大学3年でサークルではメイン学年なわけだけど、サークルの方はどうだった?

かしま
DJイベントの運営を行いながらもDJVJ以外のサークル員も楽しめるようなサークル活動・企画に注力してました。僕の代でそれが成功に至ったかは分かりませんが、今のサークル活動でも当時のやり方を残してくれていたりと少し活動を変えることは出来たのかなと思います。『あにみゅーじあむ!』についてもA-POPダンサーの方や県外の東北大学アニソン研究会のメンバーをゲストに招いたり交流の幅を広げられました。

東北大学アニソン研究会東北大学でアニソンを研究しているサークル。
東北大学アニソン研究会 (@tu_anison_lab) | Twitter

 

2019年以降の話

紙鶴
2019年以降、自分は新潟を離れてしまったのでシーンの変化に気付きにくい状況なんですけど、おふたりが感じる変化はなにかありますか?

あいなま
しょうきやK-sukeなどの賑やかなメンバーが県外へと進出していったため、APOPダンサー陣が以前より落ち着いたように感じます。加えてコロナ禍の影響でイベント自体が行いづらく、新規参入しにくい状況の為、もどかしく思っている人も少なくありません。
ですが、ナエンドーが情勢に気を配りながらAPOPダンスの場を設けてくれたり、新大のAoi、soといった若いメンバーが交流の輪を広げてくれているおかげで、みんなで心置きなく騒ぐ日のための土台が作られているように思います。

紙鶴
有望な若手の人材流出……。精力的に活動していた人が就職を機に他県に出ていっちゃうのは地方あるあるかもしれません。

かしま
2019年~2020年については自分の公募優勝をきっかけに県外から『あにきゅーぶ!』などの新潟のイベントに来ていただく方が増えたり、『reオタ』や『2dExpo』が2年目3年目を迎えてより確立した地位を築いたりと新潟のアニクラシーン全体の広がりを感じられました。それぞれのイベントで新規のお客さんも増えていた印象も感じます。

reヲタ新潟県内のオタク系DJによるオタク純度100%のオタク系ミュージックイベント。正式名称は『Re:オタクコンプレックス』。
Re:オタクコンプレックス (@Re_otacom) | Twitter

かしま
2020年になりコロナ禍になってからは現地イベントの流れは1度途絶えてしまいましたが、配信やmix投稿などで活動を続けたり活躍の場を広げるDJが多かったのが特徴的だったかなと思います。MIRUさんやあいなまさんやGあたりは他のイベントの配信を積極的に視聴しコメントしたりする姿が印象的で、その繋がりから今は各々新潟以外の配信イベントに出演されるようにもなられています。

G:新潟のアニソンDJ。A-POP MIX コンテスト『ADMIXX02』最優秀賞受賞者。読みは「ジン」。
G(ジン) (@ging2analogboy) | Twitter

かしま
『あにみゅーじあむ!』のメンバーは都内や他の大学との交流を続けてこの状況下でも活動の幅をグングン広げています。現地イベントの開催にも精力的で今新潟のアニクラシーンを引っ張っていってくれているイベントの1つだと思います。個々人としても県外のイベントにゲストで呼ばれるケースも増えてきていて、学生ならではの行動力も少しは影響しているかとは思いますがこの環境下でこれだけ頑張れるのは本当に凄いことだと思います。中々現地で活躍を観れないのがもどかしい…。
個人といえば『ADMIXX』でのGの活躍も記憶に新しいです。G当人のDJが素晴らしかったのは勿論ですが、結果発表後に思っていたよりも新潟という地域を意識してくれていた方が多かったのが印象的でした。
また、今年の春頃から個人的に新規や若手DJのフックアップに力を入れてきたのですが、先日開催したイベントで現場未経験のDJが数多くデビューしたのも今後の明るい材料の1つです。今までに経験したことのない厳しい時期でしたが、各々が自分のやり方でDJを続けて力や知名度を付けてきたのでむしろ今後が楽しみまであります。DJ同士の交流・活動の輪はここ最近でかなり広がっているので、今度はイベントとしてお客さんにもそれらを還元出来るように今後も頑張りたいです。

紙鶴
かしまも言ってますけど、あいなまさんは結構配信イベント見てるんですか?

あいなま
自分の好きな感じのイベントや知り合いが出ている時は見るようにしています。最近出演させてもらった『A面打破』は自分が好きな声優楽曲やノンタイが多めということで視聴していました。自分が配信する側の時にどんな形でも反応があると嬉しいのでコメントについてもなるべく打つようにはしています(イベントが盛り上がるような効果的なコメントしたいのですが、なかなか難しいです)。

A面打破:ノンタイアップ中心A-POP DJイベント。

 

教えたり教わったりの話

紙鶴
あいなまさんは『推しキチ』で、かしまは講習会で若手のフックアップしてて本当に尊敬してます。おふたりがDJ教える際に気をつけていること、意識していることはありますか?

かしま
初心者の方に話す際にはいきなり機材の使い方から入るのではなく、”繋ぐ時には何が大事か”という話をした上で機材や機能の話をするようにしています。例えばSYNCを教える際には”繋ぐ際には曲同士のBPMが合っていた方がいいよ”→”BPMを合わせるにはテンポフェーダーを使うよ”→”SYNCを使えばもっと楽に合わせられるよ”みたいな。教え方としては基本かもしれませんが、何となくその機能を使うのではなく何をする為にその機能を使っているのか理解して欲しいです。
あといきなり専門用語使われるとよく分かんなくなっちゃいます。この辺は”こういう事を実現したい!”→”それにはこういう機能やテクニックを使えばいい!”というプロセスで学んだ方が定着し易いし今後もそういう考え方をした方が伸びると思っているので、そこから心がけてる部分になります。

あいなま
自分はあまり人に教えるという機会がないのですが、教える時には「BPMを揃えること」はまず第一に伝えています。自分が教わってきた先輩DJ方はどの方もこのことは言っていました。実際に「テンポが合わないまま曲を繋ぐと違和感を覚える」ことを知ってもらってから話しています。あとは教えながらその都度補足しています。

紙鶴
教えてる中で気付く、新潟のDJの特徴みたいのって何かありますか?

かしま
特に『あにみゅーじあむ!』の後輩とかでは目標としている特定のDJやDJ像があるという話をしてくれる子がチラホラいました。自分の中で良いと思う・目指したいと思うDJ像があるのは凄くプラスになるのでそれは良い事だなと思います。
あと、経験者向けにDJ練習会を行った時に色々技術面の話をしたのですが、思ってた以上にレベルが高くてもう自分からは何も教えることはないなと感じました笑。あいなまさんも仰っていますが、既にイベントによく出ているDJは皆基礎がしっかりしていて自分のスタイルがあるので、あとはその個性がハマるタイミングや現場があれば皆もっと評価されるはずです。
基礎が備わっていたり目標があったりするのは、『あにみゅ!』やダンサー界隈などの教える教わるのルートがしっかり確立されてるが故の良い傾向だと思います。最近自分が行った練習会やイベントでは、この良い流れを上記の界隈以外からデビューするDJ達にも伝えたい!というのを目標の1つとして開催していました。

あいなま
自分が教わっていることが多いので立場が逆になってしまうのですが、新潟の皆さんからは前述の「BPMを揃えること」に加え、「音量のバランス」はどの方からも教わりました。

紙鶴
逆に、DJ教わったときに人からのアドバイスで今も大事にしてることや、人のプレイを見て感銘を受けたことなどはありますか?

あいなま
アドバイスをもらって今も大事にしていることは「どんなに使いたい曲でも違和感や気持ち悪さを感じたら見直す」「使うなら納得できる繋ぎを作る」です。ただこれが1番難しい。今でも上手くいっていないことが多いです。「自分のしたいこと=気持ちいいmix」ではないので、自分の気持ちに折り合いをつけて、技術を向上させて、聞いていて気持ちいいmixになるように心がけています。
感銘を受けたプレイというかmixなのですが、ユウキカオルさんの「がるこむ公募mix」が1番衝撃的でした。選曲、スクラッチ、ショートmix、たたみかけなど。自分が好きな女性向けコンテンツ楽曲を中心にプレイしていて「なんだこの巧さは…?!」と度肝を抜かれました。特に、自分がすでに考えていた繋ぎの圧倒的な上位互換をされていて、悔しさと憧れが入り混ざった不思議な感覚になったことを覚えています。

かしま
アドバイスというよりは他の方が心がけていることに共感して自分も大事にし始めたことなのですが、イベントではお客さんの時間とお金を頂いているという事を意識してその時々で自分に求められていることやお客さんが求めていることを第一に考えてプレイするようにしています。客層、流行り、番手、他の出演者、自分の立ち位置(ゲストか否か等)などあらゆる点を加味して選曲やプレイを行い、イベント全体の満足度を高める事を常に目標としています。
他にも”mixを録るときは妥協しない”とかは大事にしています。ソフト内の設定など細かい部分は直接聞いたりアドバイス頂くこともありましたが、上記のようなマインドの部分は先輩方の背中ややり取りをみて自分も意識するようになった事が多い気がします。
人のプレイで言うとアニクラに行き始めた頃から『あにきゅーぶ!』に加入する頃までに観た他の人のプレイはどれも印象に残っています。中でも上記の時期に『あにきゅーぶ!』にゲストで出演されていた方々のプレイは印象強いです。とんとんさんジョンみかみさんOROCHIさんなどがフロアをガッチリロックする姿を観て”これがゲストDJか”と感銘を受けました。mixだとスクラッチ等を巧く使っているmixは自分には無いものがあるので惹かれますね。

 

新潟のアニソンDJが上手い理由

紙鶴
それでは、最後に本題を……。と、本題に入る前に、おふたりの思う「うまいアニソンDJ」ってどんなDJですか?

かしま
ざっくりした言い方になりますが、選曲や繋ぎによりただその曲を聴くよりも多くの価値を提供出来るDJだと思います。
アニソンって各タイアップがあったりして元々楽曲の持つパワーが強いと思うのですが、繋ぎであれば流麗な繋ぎはもちろん奇抜で目を惹く繋ぎを混ぜたりして曲を楽しく聴かせ、選曲であれば作品や楽曲を理解しタイアップや曲調の組み合わせにより流れを演出することで、より楽しく面白く感情的にアニソンを味わせてくれるDJです。
うまいアニソンDJにとっては繋ぎが上手い事はもちろんですが、アニメ・アニソンオタクであることも凄く重要な要素だと思います。

あいなま
“説得力のあるDJ”だと思います。
アニソンって1曲の中に凄まじい情報量がありますよね。タイアップのアニメ、アーティスト、作詞作曲、声優、キャラソン…そこに曲自体のジャンル、キー、BPM、更に曲のイメージ(かっこいい、青春、夜など)やワード(タイトルや歌詞)、分類するだけでも無限にありそうです。そんな無限の可能性に溢れた曲を自身のルールに則って繋いだ時に、聞き手を納得させることができる方がうまいDJなのかな、と思います(最近だとGくんのADDMIX02の公募がまさにそうだなと思います。審査員に見事に青春という大枠の中に時間の流れを感じさせていました。その説得力は圧巻だな、と)。
高まる、アニメのシーンを彷彿とさせる、驚きなど、アニソンDJのプレイやmixを聞いていて様々な反応がありますが「うまいな〜」と感じるのは「なるほど!」「それだー!」といった“説得力”がある繋ぎや選曲のときだなと感じています。

かしま
あいなまさんの仰る”説得力のある”DJ、僕の言いたかったことが全部上手に書かれてて頷きまくってます。

紙鶴
上記を踏まえて、新潟のアニソンDJがうまい(と言われる)理由はなんだと思いますか?

かしま
ここまで何回か触れてきた通り先輩方が楽しいパーティーを続けてきたり、県外でも結果を残し続けてきたことが大きな理由だと思います。具体的には県内外のうまいアニソンDJを観れる機会が多かったり、基礎から教えて貰えるツテがあったり、周囲も公募に意欲的であったことだったり、デビューするとプッシュしてくれる環境であったことからモチベーションが保てたり他のDJの方の目に付きやすかったりなどです。
今では配信で色々なイベントが観れたり教えてくれる人が増えたり、また他県でも同じような環境はあるかもしれませんが、新潟においてもこの点は良いところの1つです。
この良い流れを絶やさないためにも、今度は自分が下の世代にDJを教えたり、かつての自分が憧れたような楽しいパーティーやうまいDJを体感して貰えるようなイベント作りを目標に頑張ります!

あいなま
“DJの基礎や技術について教えてくれるしっかりとした環境がある” ことだと思います。『あにきゅーぶ!』、『あにみゅーじあむ!』は、新潟のアニクラ界隈では教える教わるの基礎がしっかりしていると思います。実際に自分が紙鶴さん、かしまくん、ちゃんえいくんに教えてもらった時は、各自パワーポイントが準備され、実際に機材を触りながらわかりやすく教えてもらいました。また、『あにみゅーじあむ!』は大学のサークルなので、学生という特別な時間を仲間と高め合えるのは良いことだなぁと思います。
自分は元々アニソンダンスからアニクラ界隈に入ってきたので、アニクラにどんどん遊びに行ってその楽しさをアニソンダンス界隈に持ち帰り、アニクラ、アニソンダンスの2つの界隈が一緒に盛り上がっていけるような役割していきたいと思います。

紙鶴
インタビューは以上になります。ありがとうございました!

あいなま
こちらこそお声掛けいただきありがとうございました!
自分の内面を改めて文字に起こしてみることで、DJに対する考え方やモチベーションが高まったと思います。
自分にとってもすごく貴重な機会でした、お疲れ様でした!

かしま
ありがとうございました!
自分もこれだけ語ったからにはもっと頑張らないとなと気が引き締まりました。今後も新潟のアニクラ、DJVJ、そしてTVA「SELECTION PROJECT」をよろしくお願いします。