2023年10月に見た映画の感想

紙鶴です。表題通り。順番は見た時系列順。以下ネタバレ含みます。悪しからず。

 

採点基準

★★★★★:何回見ても飽きないくらいおもしろい
★★★★☆:人におすすめするくらいおもしろい
★★★☆☆:普通におもしろい
★★☆☆☆:自分には合わなかった
★☆☆☆☆:つまらない

 

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【★★★☆☆】夏へのトンネル、さよならの出口

natsuton.com

欲しいものがなんでも手に入るトンネルを見つけた男女の夏物語。

少しのSF成分と夏のボーイミーツガール成分が程よく合わさった映画でした。トンネルの設定はもう少し掘り下げても良かったかなと思う反面、これくらいの方がストーリーに勢いが出てプラスに働いたようにも感じました。

正直トンネル要素はだんだんどうでもよくなっていって、中盤以降は加速度的に上がっていくあんずの可愛さに目が奪われていました。塔野くんとの初めての出会いを再演するシーン、ひまわりをバックに笑うあんずでもうダメでした。

「10秒で6時間のキス」、いいセリフ。

 

【★★☆☆☆】カーズ2 (吹替)

www.disney.co.jp

マックィーンがワールド・グランプリにメーターを連れていく話。

実質の主人公はメーターでして……正直彼のことがそんなに好きではない自分からすると普通にマックィーンメインでレース主体のストーリーが良かったなと……。本作はレースがサブで、メインはメーターのスパイ戦。車のスパイ戦もこれはこれでおもしろいけど……うーん車でやることでもないかなとも……。メーターのことも最終的に「ありのまま、そのままの君でいい」ENDになってて、これもどうなの?と……。ある意味、無知で恥知らずのメーターを「そのままでいい」にしちゃうのは懐疑的でした。前作がそれなりに良かった分、ちょっと残念でした。

 

【★★★☆☆】ハケンアニメ!

haken-anime.jp

アニメを作る話。

最近見た邦画の中では面白い部類には入るのですが、何分『SHIROBAKO』視聴済だと物足りないというか登場人物の魅力に欠けるというか……。2時間の映画と全24話のアニメを比較するのはおかしいんですけどね……。とはいうものの、お仕事映画として1本筋が通っているので普通に楽しめました。

プラス要素は「吉岡里帆さんの芝居」「声優陣のキャスティング」「作中アニメ」「王子と有科さんの関係を深堀していない」。マイナス要素は「行城さんの前半と後半のギャップ(後半は有能ポジだったけど、前半の無愛想無能は何?)」「メインキャラ以外の解像度の低さ(一般人とオタクとイベント司会進行と会社役員)」。プラスとマイナスが交互にやってきてなんだか集中しきれないまま終わった印象。

 

【★★★★☆】ギルティ (吹替)

happinet-phantom.com

1本の通報から始まる緊急通報指令室のオペレーターの話。

電話中の緊張と終わった後の弛緩、この緩急が素晴らしかったです。(良い意味での)ストレスを完全に作品側に管理されている感覚に陥る。「早く電話が鳴ってほしい」「新たな情報を得たい」焦燥感に駆られるよう仕向けられてるんですわ~~~。いや~~~完敗。

舞台が緊急通報指令室から一歩も出ないので視覚的なノイズが全くない、故にストーリー展開(電話の内容)に集中せざるを得ないんですよね。視覚的な情報や楽しさをほとんど捨ててこんなに面白いんだからすごい。好き嫌い別れそうですが、私はかなり好きな作品でした。

 

【★★★★★】プリキュアオールスターズF

2023allstars-f.precure-movie.com

異世界に飛ばされたプリキュアたちの話。

プリキュア自体は『ヒーリングっど♥プリキュア』からちゃんと見始めたので近3年分くらいの知識しかないのですが……いやーくらった。びっくりするくらいくらった。20年分を70分に煮詰めたらそりゃ濃すぎて劇薬にもなるわ。最後のドラゴンボール展開大乱闘で『トロピカル〜ジュ!プリキュア』の面々が大暴走しているところで号泣した。パパイヤ、お前なんなんだよ。好きだよ。

全は一。一は全。

 

【★★★★★】北極百貨店のコンシェルジュさん

hokkyoku-dept.com

動物がお客さんの百貨店で働くコンシェルジュの話。

現状、2023年下半期No.1アニメオリジナル劇場作品です(続編モノ除く)(『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』とか『特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~』とか入れちゃうと長考に入るので)。

ストーリー、構成、作画、動画、キャスティング、芝居、音楽等々、全てが優しく丁寧に作られているのが十二分に伝わってくる映画でした。夢の職業に就いて失敗しながらも努力を続ける主人公の姿が何よりも眩しくて強いんですわ。丁寧に丁寧に物語を紡いだ最後、ツダケンマンモスにあの台詞ですよ。完全に涙腺やられました。作品に込められた想いが心地良く胸に染み渡る傑作です。