伊坂幸太郎 著『PK』感想

紙鶴です。伊坂幸太郎 著『PK』(講談社文庫)を読みました。

人は時折、勇気を試される。落下する子供を、間一髪で抱きとめた男。その姿に鼓舞された少年は、年月を経て、今度は自分が試される場面に立つ。勇気と臆病が連鎖し、絡み合って歴史は作られ、小さな決断がドミノを倒すきっかけをつくる。三つの物語を繋ぐものは何か。読み解いた先に、ある世界が浮かび上がる。
「BOOK」データベースより

 

 

『PK』、『超人』、『密使』の中篇3つからなる長篇。『PK』は視点の切り替わりを推理(ってほどのものではないが)しながら読み進めていくのが楽しかった。オチも結構好き。『超人』は『PK』と似たような話だけど内容がところどころ違う。『密使』はタイムパラドックスパラレルワールド等のワードが飛び交い、一気にSF色が強くなって置いてけぼりをくらった感じ。あれ、自分、SFが読みたかったんだっけ? って。読み進めるにつれてだんだんと楽しめなくなっていってしまったため、1回目の読後感はあまり良いものではなかった。

しかし、解説を読み、なんとなく世界観を理解してから読んだ2回目の印象は全然違った。『密使』のおもしろさを理解できたときの面白さよ。1回読んで終わりにしなくてよかった……。正直、解説がなかったら自分にはあわなかったで終わって、2回目読もうとは思わなかっただろうから、ほんと解説に感謝です。

 

おわり。

 

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