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『泣きたい私は猫をかぶる』感想

あぁ、僕はまた岡田麿里さんに心の中ぐちゃぐちゃにされたのか。

 

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新型コロナウイルスの影響で見たかった映画が公開延期になっていく昨今。本作は劇場公開を取りやめ、2020年6月18日16時よりNetflixにて配信を始めた。

 

前半、中学生らしい彼女たちの日常が眩しく映る。無鉄砲で考えなしで天真爛漫で。好きな男の子の気を引きたい女の子の一コマ。日之出サンライズなんて相手の名前を入れた技なんてくりだして。痛々しいのに少しむず痒い心地よさがあったりして。こんなころもあったよななんて思ったりして。

お祭りの日の描写、すげーよかったなと。日之出は猫に接している。のにムゲにしてみれば日之出からされているわけで。人間の時の自分には見せたこともない無邪気な顔されたら……ねぇ。

 

中盤、手紙のところ。無理でしょ。中学生らしい正直よくあるワンシーン。人を好きになる気持ちが弄ばれるワンシーン。日之出はムゲを嫌いだと言い、ムゲは笑いながら涙を流す。ムゲの泣きながら笑う顔。無理でしょ。見てるこちらは笑うことなんか1ミリもできずに泣くしかなかった。やめてくれ。無理なんだ。笑わないでくれ。泣きたいならただ泣いてくれ。

 

ムゲは理性では笑おうとしてたんだ。心を守るために。感情のまま泣いてしまったら心も体も壊れてしまうから。 「好かれる」経験のなかったムゲに取って「好かれる」は一番欲しているものなのに半ば諦めていたもの。両親からの愛情も知らないのだから無理もない。それでも。諦めていたのにそれでも日之出からは「好かれ」たかった。家と学校が世界の全てといっても過言ではない中学生のムゲにとって、家族と日之出を天秤にかけたとき、より重かった存在だから。そんな彼から  なんて言われたら笑うしかないじゃん。泣くより先に笑うしか。

日之出は悪くないよ。あの場面で好きだって言えるほど中学生は大人じゃない。本心を口にできなかっただけなんだ2人とも。

 

後半。きなこに感情をもっていかれる。いや、強すぎでしょ。

きなこがムゲに、人間になることで「猫だから人に言えること」、「猫だから人に言えないこと」、「猫にだから人が言えること」、「猫にだから人が言えないこと」が鮮明になった。

ムゲと日之出の関係は「猫だから人に言えること」と「猫にだから人が言えること」にスポットが当たっている。ムゲは猫だから日之出に本音を言える、日之出は猫にだから本音を言える。伝わらないけど。

きなこと薫さんの関係は「猫だから人に言えないこと」と「猫にだから人が言えないこと」にスポットが当たっている。きなこは薫さんにちゃんと好きだって伝えられないし、薫さんもきなこにちゃんと大事な存在だって伝えられない。心では通じ合っているのに。

きなこは自分が家庭の薫さんを幸せにするため人間になったのに、薫さんにとっては家庭と同じくらい、それ以上にきなことの生活が大切だった。きなこのこの決断は薫さんにとってはきつかったんだよね。きなこはムゲになれたからこの感情に触れられてほんとうによかったね。寿命が削られようとも、きなこはこの思い出だけでこれから先生きていけるんだよね。きなこはきなこのままでちゃんと薫さんを幸せにできるんだから。

 

ラスト。ムゲは「好かれたい」から「もっと好きになりたい」へ。日之出から好かれることで存在意義を見いだそうとしていたムゲは自分が日之出をより好きになることで存在意義を見いだすことにした(違うだろうけど)。自分の存在意義を他人に依存しなくなった。

日之出は逆。「ムゲから日之出サンライズを受ける」側だった以前とは異なり、日之出は「ムゲに日之出サンライズを仕掛ける」側になった。

 

やめてくれ。

 

『日之出サンライズは太陽がぱあって昇ってあったかくなる気持ちです』

 

そう、『日之出サンライズは太陽がぱあって昇ってあったかくなる気持ちです』なんだ。日之出はずっとムゲからあったかくなる気持ちを受け取っていたんだ。気付かなかっただけで。太郎のときもそう、失うまで気付けない子どもなんだ。そんな日之出も日之出サンライズを仕掛ける側になったんだ。ムゲに『太陽がぱあって昇ってあったかくなる気持ち』を届ける存在になったんだ。日之出。お前は。お前はほんと。日之出。

 

エンディングが全てだった。大団円に次ぐ大団円。死体蹴りにもほどがある。ここまで救いがあっていいのだろうか。アニメだからいいんだと自分の涙が語ってくれた。エンディング中ずっと涙が語ってくれた。ありがとう涙。お前が来てくれて本当に良かった。

 

 

 

見終わってからまた泣いた。劇場でこの映画を見ることができない悔しさに泣いた。

 

 

 


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夏の匂いがする

 

 

 

 

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頼子がいてくれて良かった。頼子ありがとう。好きだよ頼子。頼子が幸せなら……僕は…………。