『ミッドナイト・ゴスペル』第3話「家を持たない狩人」感想

紙鶴です。『ミッドナイト・ゴスペル』第3話「家を持たない狩人」の感想。どんどん文字数が増えていってる気がする。

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第3話「家を持たない狩人」

【ゲスト】ダミアン・エコールズ(Damien Echols)

 3人の男児が殺害された「ウェスト・メンフィス3」事件の元死刑囚。

 


姉の着信やレンタルの延滞案内、メンテナンスが必要だというPCのことすら無視し、ダニエルのためにクランシーはアイスクリームを惑星で探すことにする。もう尊敬の念すら覚える。よなべして作ったアバター、もう人型ですらない。第1話の頃はかなりマシだったのに……。

 

惑星到着後即海で魚に食われるも、偶然金魚鉢男に助けられる。この金魚鉢男が今回のゲスト、元死刑囚のダミアン・エコールズその人である。

 

2人は海上と海中を移動しながら魔術と瞑想の関連性について話を始める。魔術をおこなう上で瞑想は心の訓練に適しているという。また、瞑想で習得する悟りは、東洋では輪廻転生を繰り返すことで開かれるが、魔術では一度の人生で開く。魔術は悟りに至る裏技みたいなものなのか。

 

海中を移動する中で、金魚鉢男が落とした財布から彼が儀式魔術と仏教(臨済宗)に精通していることが明かされる。ここから魔術と宗教の話へ。金魚鉢男は何年も座禅と瞑想をするより数ヶ月魔術の儀式した方が有意義、馴染みのない東洋のわけわからんもん学ぶより、西洋の、自分の血にすり込まれている文化のものを学んだ方がいいと言う。ハヌマン然りニホンザル然り、サルに馴染みのある東洋とない西洋、なるほどー。そうは言うけどクランシー、お前の選んだアバター、チビザルやぞ……。

 

談笑の最中、いきなり人面魚に追いかけられ始める。話に集中しているときに混乱する映像出さないで欲しい。

 

海中遊泳を終え、再び船へ。話は魔術の起源とその伝播について。難しい話をしているときに騙し絵の中を歩かないでくれ。余計混乱する。

 

船は航海を続け、金魚鉢男の商人からエンリルを買い付ける。ねこを通貨として。ねこ……。あと、エンリルで調べると守護神が出てくるんだけど……神を買ったの?

 

伝播から師弟伝承へ話はシフトする。口頭での伝承は物語を伝えるのが大切なのではなく、エネルギーの流れを声を通して伝えるのが大切だと言う。また、一番はじめに言葉、つまりは口頭での伝承の力を説いたのが聖書である。これらのことから、解釈次第では「聖書は最も偉大な魔術書と言える」と金魚鉢男は言う。なんという三段論法。なんなんだ。パワーワードが過ぎる。『ミッドナイト・ゴスペル』に出てくるワードの中でも1位2位を争う強さ。宗教と魔術の関連性はここまで話されてきたけどここまで言われるともう笑うしかない。納得するしかない。すごすぎる。

 

航海は終わりを告げ、島に上陸する。人は人生に文句を言ってばかりだと金魚鉢男は言う。第1話でも出てた話題だ。「後退より前進に力を注ぐべき」金魚鉢男続けて言う。いい言葉や……。刑務所での時間も良いカルマで必要な時間、良くなっている過程にすぎないのだ。

 

島でのバイク移動の末、アイスクリームを見つけたクランシー。その後、金魚鉢男はバイクを乗り捨て(?)、巨人の耳に入るために列をなしている(??)石たちをなぎ倒しながら(???)話を続ける。書いてても意味わからん。助けてくれ。

 

悟りは瞑想の先にあるゴールではなく、永遠に壊れない意識を作る過程にしか過ぎないと金魚鉢男は言う。ここ、第1話終盤での、ふぇの……phenomenologicalの話と関連する気がする。金魚鉢男は内臓を供物として差し出し、巨人の中?を進む。進んだ先で金魚鉢男は巨人になり、クランシーが一言「何だ?」。それはこっちの台詞だ。島にいた巨人と、巨人になった金魚鉢男は乱闘を始め、海底火山は噴火し、人面魚が金魚鉢男を襲い、ねこはピアノを弾く。頭痛くなってきたのでもう映像の描写しなくてもいいですか。

 

無事アイスクリームを手に入れるも、送った直後親フラによりダニエルがボコボコに。散々な終わり方だ……。

 


総括

ネコは癒し。

 

蛇足

魔術の話が多かったけど、根底にあったのは趣味でも暇潰しでもなく人生の中心として魔術を支えとする彼の心の在り方なのかなと。1mmもわかった気がしないけど。

あと、瞑想で何が得られるか探っていた金魚鉢男と第瞑想によって自身の感情を探っていたクランシー、なんだかリンクするところがあるんだろうなと思ったり。

 

 

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