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『冴えない彼女の育てかた8』を読みました。

紙鶴です。丸戸史明 著の『冴えない彼女の育てかた8』(富士見ファンタジア文庫)を読みました。

冴えない彼女の育てかた8 (富士見ファンタジア文庫)

冴えない彼女の育てかた8 (富士見ファンタジア文庫)

 

新学期を目前に控えたあの日、かつての「blessing software」は終わりを告げた。そして新学期、俺たちは新たなメンバーを迎え、新作ゲーム製作のため、再び走り出そうとして―。だが、まだ手探りなまま始動した新体制に、少しずつ、しかし致命的な綻びが見えはじめてしまい…!?
「BOOK」データベースより

 

新生blessing softwareの始動、プロットのやり直し、ネタ集めと言う名のデート、波島伊織の勧誘、加藤恵と英梨々の間に生まれた溝……。

 

 

 

 

 

加藤……恵……っ。

 

 


非オタクで非クリエイターの加藤恵の周りにはなぜか凄腕クリエイターばかり。作家の霞ヶ丘詩羽イラストレーターの澤村・スペンサー・英梨々波島出海、作曲家の氷堂美智留……。
中でも英梨々とは親友として親しくしている間柄である。それでも、クリエイターの柏木エリと接するときの加藤恵は相手の気持ちがわからなくなってしまう。クリエイターとして正しい方向へ行く英梨々とそれを許せない加藤。深まる溝。
結局最後まで英梨々のことわかってあげられなかった加藤恵のつぶやきは結構重い。全力で詩羽先輩と戦いたいと思う、シナリオライター安芸倫也のこともわからなくなってしまうのではないかと心のどこかで思っているのではないか。


新生blessing softwareでは安芸倫也もクリエーター陣営に参加してしまったので
実質非クリエーターは加藤恵1人なってしまった(波島伊織は除く)。
旧blessing softwareで夢ややる気だけじゃどうにもならないことを学んだ加藤恵
前作以上に、他のクリエーター以上に現実的にゲームの完成を目指している。それ故、絵を、音楽を、シナリオを、完成させることを目指すクリエーター達以上にblessing softwareに対してより思い入れが強くなっているのではないか。固執しているといっても過言ではない。
だからこそ、安芸倫也との距離の詰め方もクリエーターである英梨々とも詩羽先輩とも違う、ゲーム完成に向けて隣を一緒に歩く感覚に近しいものになるのだろう。”巡璃をメインヒロインとするギャルゲーを作る”、最初からあった本筋は変わっていない。


終盤、加藤恵の生身の人間としての魅力が存分に発揮されていた。完全にくらってしまっておしまいです。

生身の人間だから自分で決めて自分で行動する。
生身の人間だからコーディネーターや演技指導の先生がいなくても『冴えない彼女の育てかた』の、安芸倫也のメインヒロインになろうとする。
加藤恵1個人として、自分の意志で決意し、自分の意志で演出する。
生身の人間なのだから変わらない気持ちもあれば変わる気持ちもあるわけで。

 

 

 

はぁ。

 

 

 

 


蛇足。
湯気や謎の光を使わずにギリギリを表現するの件、アニメ1期0話「愛と青春のサービス回」で回収されてて感動した。